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プロジェクトストーリー 計量器付きごみ収集車「スケールパッカー」開発物語
前編 “世界で最初の1台”をつくるんだ!

 初号機が納入された翌年、東京トラックショー2003に、スケールパッカーの出展が決まった。競合ひしめくごみ収集車市場で"計量器付き"は重要な差別化ポイントになる。これなら売れる。そんな期待感が社内に生まれていた。実際、展示会とその後のキャラバンツアー──全国のお客様や有力ディーラーにサンプルカーを持ち込んでPRして回る活動の効果で、次々と注文が入ってきた。受注増に対応するため量産体制の確立が急務だったが、特殊な仕様だけに容易ではない。ごみ収集車の製造一筋というベテラン技術者、絹川も手こずった。
「当初は通常のごみ収集車10台分に匹敵する手間と時間がかかりました。計量器の精度がこのクルマの生命線。その精度を出すための調整に膨大な作業量が必要でした」

 そこで絹川はスケールパッカー専門の特別班を編成。計量器付きボデーをシャシーに載せて精度調整を行う工程を通常の組立ラインから分離して集中的に取り組むことで作業の効率化を図った。と同時に、いかに作業量を減らすか、現場の知恵を結集して改善策をひねりだし、設計変更が必要な改善については赤塚の協力を得て、最終的に作業量を5割以上削減することに成功した。
 一方、赤塚を悩ませたのは営業サイドからあがってきた軽量化要求だった。クルマを軽くすれば、それだけ多くのごみが積載できる。最大積載量が50kg増えるだけで、競合車に対して圧倒的優位に立てるのだ。
「初号機より100kg の減量が求められました。構造から材料まで再吟味し、あらゆる角度から"贅肉"を削って目標を達成しました」

 さらにもう一点、スケールパッカーの強みである計量器の機能についても新たな要求が出された。当初は計量結果がプリントできるだけでよかったが、その後データをPCに取り込んで集計・管理したいというお客様のニーズが出てきたのだ。赤塚がシステム開発を託したのは入社3年目の岡野だった。
「計量データを携帯端末に取り込み、それを事務所に持ち帰って管理するシステムです。特装車に関するノウハウはあっても、システム分野は未経験だったので、いろいろ試行錯誤しながらつくり込んでいきました」

 岡野がつくったシステムはオプション装備として2004年の東京モーターショーでデビュー。回収情報を管理・活用するという新たな選択肢をお客様に提供したのである。
ごみ収集車も公道を走る車両という点では一般乗用車と同じだ。安全に走行し、なおかつ要求性能を発揮できるという保証なしには商品たりえない。スケールパッカーが商品として出荷できるかどうか最終判定をするのが品質管理の下川の務めだ。
「車両には道路交通法以外にも無数の保安基準が定められており、これがクリアできているかを全て判定しなければなりません」

 スケールパッカーは、シャシーとボデーの間に計量器を挟み込む構造になっている。当初は計量器の上下の隙間が不足していたせいで、積荷を満載すると、計量データに狂いが生ずる不具合も出た。高精度が売りの製品だけに非常に大きな問題である。下川はその問題点を設計・製造の両部署に伝え、協力して解決を図っていったのだ。
こうして現在、スケールパッカーは月産ペースで当初の5倍の台数が生産されている。もちろん量産化が成功した後も、スケールパッカーの進化は続く。お客様の多様な要望がある限り、赤塚たちの挑戦が終わることはない。

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三木工場 技術部 岡野 啓一 2001年入社

一般にごみ収集車というと、クリーンなイメージはまだないかもしれません。でも、これからもっと変わるはず。というより、ぼくらが変えていくつもりで「環境」を意識したものづくりに取り組んでいます。クリーンな環境のために働く、かっこよくて、使いやすい機械を作り上げていきたいですね。

三木工場 製造部 係長 絹川 伸昭 1989年入社

昔は積めればいいというごみ収集車でしたが、いまではオプションも増え、乗用車並の品質が求められています。そうした厳しいお客様の声にひとつひとつ応える品質重視のものづくりをしていくことで、極東開発のごみ収集車のシェアをこれからもどんどん伸ばしていくつもりです。

三木工場 品質管理課 係長 下川 勇美 1991年入社

ごみ収集車は、環境保全のためになくてはならない存在。その重要性がいまようやく社会で認められてきていると感じます。今後もお客様のさまざまな指摘を改善のきっかけにして高品質な製品を提供していきたいと思います。とにかく、いいものをつくる。それがすべてですね。

     
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